埼玉県上尾市のISOコンサルタント事務所高野テクノサービス



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クレームコスト減る・利益が増える仕組み

官能的作業の数値化へのチャレンジ

作業は五感を生かして作業をしないと1人前ではありません。
しかし、五感に頼った作業だけでは危険です。
官能的作業の数値化へのチャレンジのステップをまとめてみました。仕事の上で多少前後する説明になるかもしれません。
製造、技術及び事務系でも、言葉を変えてみれば同じ内容と思います。

改善事例
ステップ 内容 説明 ポイント
1 前提条件としての力量向上 知識

作業標準などにより、
正しく覚える。

  • 仕事をする上において、最低限のペースと考える。
    急がず、丁寧に覚え、よく観察する。
    …眼、耳、鼻、身、舌で感じ取る。
経験

正しく繰り返すのみ、
先輩の動きを観察する。

技能

もっと良いやり方は、
五感で作業を感じ取る。

2 仕事の論理を覚える

自分の責任の持つ仕事を論理的に説明できる力、及び説得力を持つ。
…仕事は盗み取れ!だけではダメ

  • 先輩たちの意見を十分に聴き取る。
  • 技術者から教わる。
3 品質特性を知る

標本見本・サンプルを頭に入れる。
…大体この位ではダメ

  • 本来の製品の姿を描く
4 操作ポイントを知る

バランスを崩した場合、どこを操作すると速く本来の製品に近づくか判断する。
…どこを操作するの

  • 「もうちょっと」、「ほんの気持ち」、「ほんの少し」、「ほんのちょっと」等は個人差が大きい。
  • 何度上げる、下げる、何ミリ上げ下げ、一滴入れる、何グラム入れる、何㏄入れる数字での指示。
5 操作範囲を知る

どの程度コンロトールすると、どの程度変化するか見極める。
…やりすぎはトラブルの拡大

6 操作時間の短縮
(不良撲滅、苦情撲滅、
コストダウンの実現)

例えば、右をコントロールするのが早いか、左が速いか、温度を上げる、下げるかなど…。
操作時間の短縮を図る。

上記内容は、自分の経験からまとめてみました。
ISO9001要求事項の7.2力量、教育・訓練及び7.3認識に当たります。
このことは製造現場での教育・訓練やOJTのみに頼るのではなく、技術や管理部門を含め会社全体の教育・訓練システムとして捉えるべきと思います。
コンサル活動中は、このことにかなり力を入れ、中には意識改革をしてくれる人もいます。
しかしながら、教育・訓練は長期に渡るもので、十分ではありません。

官能的作業の数値化事例

官能的作業の数値化の事例は、次の通りです。
その考え方や感覚を担当者に教育・訓練を行い、周知していくことが大切です。
非常に難しく、忍耐力のいることです。
しかしながら、このような活動が実り、クレーム産業と言われる業界で苦情が減少しました。
(約1,000件/年減少)

事例として上げた内容では、まだまだ不十分と思いますが、ぜひ考え方を参考にして役立てて見てください。

1.壁紙の左右の艶合わせ対策

原因
ベースの左右厚み違いと二次加熱の左右の温度違い。
論理
二次加熱の温度を下げると艶が出て、厚みも出る。
温度を上げると薄くなり、艶が消える。
操作
生産しながら製品の品質特性により判断する。
例として、二次加熱温度を右 10℃アップ、中 5℃アップ、左 そのまま。
過去の指示
二次加熱温度を右 少しアップ、中 ちょっとアップ、左 そのまま。
効果
調整時間1/4程度、不良数の減少、苦情減少。

2.製品の色ブレ、ロット間の色ブレ対策

原因
コストダウンのため、残インキの撲滅のため、色調合のブレ。
論理
色の三原色を基本に合わせる。赤味を消すため青系を入れる。
残カップ3号で粘度調整を17秒で調整。
無彩色入れない。入れるとインキが濁り使い物にならない。
操作
標準見本の色合いを見て、一斗缶の角から垂れる一滴。
例えば、赤 1滴と指示。2滴入れると使い物にならない。
過去の指示
赤 もう少し、もうちょっと、1~2滴。
効果
インキ調合時間の短縮、残インキの減少、不良・苦情の減少。

3.その他

  • ①左右ロールの隙間調整:ハンドル1回転で、ロール上下1.0mmとすると、
    0.5mm上げるにはもうちょっとでなく、右に1/2回転と指示する。
    印をつけるともっと良い。
  • ②出荷ミスなどをすると、対策としてすべてダブルチェックをします。
    トリプルチェックをします。
    本当に出荷ミスが減少しますか。さほど期待はできませんね。
    それより、ここだけを足し算しなさい。ここだけを「レ点」チェックしなさい。
    出荷ミスがほぼ0件。
  • ③食感:例えば、プリプリ、ブツブツ、ペタペタ、水っぽい等の表現をする。

★自分の作業に自信を持つ。持たせるように教育・訓練をする。
「もうちょっと」を数値化への仕組みづくりが必要です。

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